最終更新日:2020/12/23
コピー機・複合機のレンタルとリースの違いについて
コピー機や複合機を賃貸借で調達する場合、レンタル契約とリース契約の2つの方法があります。物件の所有権は、それぞれレンタル会社・リース会社にあり、各契約が持つ特徴も異なります。
そのため、コピー機や複合機の新規導入あるいは機器の入れ替えを実施する際に、レンタル・リースのどちらが望ましい方法なのか判断することは非常に難しいです。
そこで、今回はコピー機や複合機のレンタル契約とリース契約の違いについてご紹介します。
会計上の違い
レンタル契約とリース契約における一番の違いは、会計処理方法です。レンタルに関わる費用は「経費処理」(オフバランス)ですが、リース契約に関わる費用は「資産計上」(オンバランス)になります。
つまり、レンタルは単に借りるだけのため、経費予算内の場合は、会計上の問題が起こることはありません。
しかし、リースに関わる費用は資産の一部として貸借対照表に記載しなければならないため、中期的な経営計画を練る必要があります。
契約期間・解約の違い
レンタルは1ヵ月単位で契約期間を決めることができ、さらに途中で解約することもできます。
リースの契約期間は、使用可能期間(一般的には法定耐用年数を基準としている)の70%以上です。コピー機・複合機の法定耐用年数は5年であるため、計算上の契約期間は3年以上になります。基本的に契約期間以上は使用しなければなりません。
またレンタルとは異なり、リースの場合は中途解約が許されておらず、契約期間の途中で使用を中止した場合は残りの費用を支払う必要があります。そのため、リース契約の場合は、本当に契約期間満了まで装置を使い続けるかどうか、十分な事前検討が重要です。
対象製品の違い
レンタルでは、汎用製品のみが契約対象です。そのため、独自の改良・改善を施した製品をレンタルすることはできません。また、製品はレンタル会社が保有する在庫商品から選定します。
例えば、従来使用してきたA社のコピー機・複合機をB社の製品に変更したいが、現在のレンタル会社が保有していないと仮定しましょう。このような場合は、該当機種を保有しているレンタル会社に変更することが必要です。
一方、リース契約は、ユーザー自身が選定した機器をリース会社から借りる形になります。つまり、任意のコピー機・複合機を対象にすることが可能です。
保守・修繕費用の違い
コピー機・複合機は保守サービスを受けることが一般的ですが、保守・修繕費用もレンタルとリースでは費用負担者が異なります。レンタルの場合は保守・修繕義務がレンタル会社にあるため、費用はレンタル会社が負担します。
リースの場合は、保守契約込みの契約ではない限り、別途保守サービス会社と保守契約を結ぶことが一般的です。そのため、保守・修繕費用はユーザー負担になります。
別途保守サービス会社と保守契約を結ぶことが煩わしい場合は、保守契約込みのリース契約を結びましょう。
新品、中古品の違い
コピー機や複合機を必要とする業種や部門には、特定時期だけ稼働時間が多いが、その他の時期は稼働時間が少ないなど、使用頻度が偏った業種や部門もあります。稼働時間のピークに合わせて高性能の機種を導入すると、非常に費用が掛かかります。そのため、このような場合は中古品の導入により費用を抑えることもコスト削減方法の1つです。
レンタルでは新品・中古品の両方が契約可能ですが、リースは新品のみが対象です。そのため、中古品を導入したい場合は、レンタルを利用してください。
キッティング作業の違い
キッティングとは、必要なソフトウェアのインストールや初期設定を行う導入作業のことです。多くのコピー機・複合機では、オプションのハードウェアやソフトウェアをインストールすることにより、利便性の向上や、機器管理(使用履歴など)の機能を備えることができます。
レンタルの場合はレンタル会社にキッティング作業を委託可能ですが、リースではユーザー自身が行わなければなりません。
コピー機や複合機を大量にリースする場合は、キッティング作業の人件費や作業期間も含め十分に検討することが必要です。
おわりに
一般的に、「会計処理を別にすれば、短期ならレンタル、長期ならリースが良い」と言われます。しかし、ご紹介したレンタル契約とリース契約の違いを把握し、その他の要素も考慮に入れて判断してください。ご紹介したさまざまな要因を検討した上で、適切なコピー機・複合機の契約方法を検討することをおすすめします。
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