最終更新日:2021/08/17
SOHO(小規模オフィス)向けの複合機はどんなモデル?導入のメリットや選び方・方法を解説
開業・起業すると、サラリーマン時代には経験しなかった場面に多く出会います。そのひとつが、確定申告をはじめとする各種税務帳票の提出です。
従来、確定申告書は手書きの書類を提出するのが一般的で、その作成は非常に大きな労力が伴いました。しかし現在では、多機能プリンターである複合機を用いて、確定申告に関わる書類も印刷出力物で作成・提出することが可能です。コストなどの面から開業準備の段階では導入を諦めていた方も、税務書類提出の手間を大幅に減らすことができるメリットを考慮し、複合機の購入を再検討してみてはいかがでしょうか。
個人事業主の方が構えるような小規模オフィスを「SOHO(Small Office Home Office)」と呼びます。SOHOの場合、確定申告の書類を印刷するための複合機があると好ましいでしょう。
今回は、小規模なオフィスや自宅内で仕事を行うSOHO向けの複合機の選び方を紹介します。
1.SOHO向けなのは複合機?コピー機?
「複合機」と「コピー機」では、どちらの方がSOHOへの導入に適しているのでしょうか。それぞれの違いや用途について、こちらで解説していきます。
複合機とは
複合機は、一般的にプリンター、コピー機、スキャナー、FAXが一体になった機器のことです。その他、オフィスのOA機器として必要な機能を多数内蔵しています。
複合機は、FAXの送受信が可能なため窓口をひとつ増やすことができるほか、スキャナー機能により、SOHOのペーパーレス化を実現できます。その一方で、小規模なオフィスではサイズによる圧迫感が生まれてしまうかもしれませんが、複数の機器をそれぞれ設置することを考えると省スペースです。
コピー機とは
コピー機は複写機とも呼ばれ、原稿からの複製が可能な機器を指します。複合機のように、スキャナー、プリンター、FAXの機能は搭載されていません。しかし、現在のOA機器業界では、複合機と同じ意味で使われるのが一般的です。一方で、コピー機能に焦点を絞った機器もいまだに生産されています。
SOHOとはいえ、さまざまな作業が想定されるため、純粋にコピー機能しか搭載されていないコピー機を導入すると、できない作業が多くストレスを感じるかもしれません。上述した確定申告の作業では印刷が必要です。少なくとも、印刷機能が搭載されたコピー機を選ぶことをおすすめします。
2.SOHO向け複合機を選ぶ時のポイント
SOHOはどのような点に着目して複合機を選ぶべきなのでしょうか。以下では、SOHO向け複合機の選び方についてご紹介します。
サイズ
SOHOではスペースが限られているため、複合機のサイズはチェックしておきたいところです。一般的な複合機のサイズは600×600×1,200mm程度。最低でもこの程度のスペースは確保しておく必要があります。
複合機のサイズは、搭載機能の多さや印刷速度に比例します。機能が充実していて、印刷速度が高速なモデルほど、サイズも大きくなります。そのため、どの程度の性能が求められるのかあらかじめ検討しておくことも重要です。
一般的な複合機とはべつに卓上型と呼ばれるコンパクトサイズの複合機もあります。
サイズは、560×560×653mmと一般的な複合機よりも高さが低く設計されており、重量も50kg前後のため、卓上に置いて利用することが可能です。性能についても、一般的な複合機と大差ないものも展開されているので、広い場所を取れないといった場合は卓上型の複合機を検討しましょう。
印刷速度
印刷速度については、月間印刷枚数を基準に判断しましょう。SOHOの場合、社内で大型の会議を開くこともないため、そこまで高速なモデルは必要ない可能性があります。確定申告のときにだけ印刷の業務が立て込むのであれば、印刷速度が低速なモデルでも十分対応できるでしょう。1カ月500枚以下の印刷枚数の場合に推奨されている15~20枚/分の印刷速度のモデルが最低速のラインです。
モノクロ、カラー
モノクロ機に比べてカラー機は高価格となります。業務・業態によってはカラー印刷が不要な場合もあります。もちろん確定申告の提出書類を作成する際にも、カラー機能は必要ありません。そのため、場合に応じてどちらの機種を導入するか検討してください。
レーザー、インクジェット
インクジェット機は、写真を鮮やかに印刷することができ、本体価格もレーザー機より安い傾向にあります。しかし、印刷物一枚あたりにかかるランニングコストについては、レーザー機の方が安価です。
特に写真を印刷する機会が多くなく、書類の印刷枚数が多い場合はレーザー機を選びましょう。サイズに関しては、どちらも小型のものがありますので、業種や職種に合わせて、適切なタイプの複合機を選びましょう。
必要な機能
複合機の基本的な機能はコピー、印刷、スキャン、FAXです。いくつかの機能にフォーカスしたモデルもありますが、いずれもSOHOで役立つ機能のため、こうした基本的な機能は過不足なく搭載したモデルをおすすめします。
主な付加機能としては、スキャナー機能とファクシミリ機能が挙げられます。スキャナー機能を用いることにより、印刷物などを電子データとして保存することができます。確定申告の準備を行う際にも、領収証などの書類を事前にデータ化しておきましょう。
保管した現物をデータにすることにより、時系列ごとの整理や税理士への情報送信を楽に行うことができます。 また、A4やB5サイズなどの定型用紙を大量に読み込む機会が多い場合は、ADF(自動原稿送り装置)付きの機種を選びましょう。さらに、業務において両面印刷の用紙を読み込む機会が多いSOHOには、原稿を一度差し込むだけで両面を読み取ることができる機種がおすすめです。スキャナー機能に加えてファクシミリ機能のある複合機を導入することにより、読み取ったデータの保存・印刷・ファックス送信が1台でできるため、大変便利です。
そのほか、オフィスユースを意識した機能が搭載されたモデルもあります。ユーザーを管理するセキュリティ機能、人の接近を感知してスリープモードから復帰する機能などが代表例です。タッチパネルの操作感やスリープモードからの復帰時間など、仕様もモデルによって細かく異なるため詳しくチェックしましょう。
また、オプションで機能を追加できるモデルもあります。大量の冊子作成が効率的になるフィニッシャーやスキャンデータを保存するために利用できるクラウドストレージなど、提供されているオプションはさまざまです。基本的に人数の多いオフィスを想定して設計されている機能が多いため、無駄なコストを省くためにもSOHOで本当に必要な機能なのか、よく考えましょう。
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3.複合機の導入方法比較
複合機の代表的な導入方法が購入・リース・レンタルです。それぞれの方法を比較します。
購入
実費で複合機を購入する方法です。購入した複合機は自己の資産となります。
新品の複合機を購入するほか、中古のモデルを購入することも可能です。中古で購入する場合は、基本的に数世代ほど前のモデルになります。
複合機の所有権があるため気兼ねなく使えますが、大きな初期費用を負担する必要があります。
リース
リースは、リース会社が提供している複合機を月々のリース料金を支払いながら使っていく導入方法です。ただし、複合機は資産とはならないため、契約期間終了後にリース会社へと返却します。
初期費用の負担を分散できるため、SOHOでも低コストで複合機を導入できる方法です。複合機を返却する必要がありますが、通常、契約期間が終了するころには経年劣化からリプレイスが必要になるため、処分費用の節約になることを考えると低コストといえます。一方で、契約期間が5~7年と長期であり、途中解約もできないため将来的な複合機の必要性に関しては検討しなければなりません。
レンタル
業者から複合機を借り受け、利用する方法です。リースよりも月々の料金が高額ですが、短期の契約に対応しています。提供されるのは、基本的に中古のモデルです。
4.おわりに
SOHOで使うために最適な複合機の選び方をご紹介しました。複合機のスキャナー機能を応用することにより、ソフトウェアを通してスキャンしたデータを文字データに変換することも可能です。このように、プリンターにスキャナーやファクシミリ機能が付くだけで、ビジネスへの応用範囲が大幅に広がります。複合機がもつ利便性は、確定申告のみならず、さまざまな場面において発揮されることでしょう。
小規模・少人数で事業を行う場合、業務効率化は必須課題です。複合機を導入することにより、複数の問題が解決されることも十分に考えられます。ぜひ開業準備品目に複合機を加えてください。
導入方法としておすすめなのは、リース、もしくはレンタルです。SOHOへの導入でも適切なモデルを提案させていただきますのでぜひお気軽にご相談ください。
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